2010年の夏に家族旅行で能登半島に行った時に寄ったコスモアイル羽咋(はくい)の写真と情報をまとめておきます。とは言え1回で解説するには写真の枚数も量があるので今回を入れて全6回になりました。8月21日に全部揃ったので公開時とは順番を入れ替えてます。今回は第0回として目次と全体の話をまとめています。まずは目次から。

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第0回:イントロダクション
・最初に
・展示室内の様子

第1回:旧ソ連シリーズ
・ゼニット偵察衛星(1979年2月20日に打上げられた実物?)
  注:断じて有人のヴォストーク宇宙船では無い!
・モルニヤ通信衛星(バックアップ機)
・ルナ24号-無人月探査船(バックアップ機)

第2回:米国(NASA)シリーズ
・マーキュリー宇宙船(レプリカ)
・ルナ/マーズローバー(研究開発用)
・ボイジャー惑星探査機(レプリカ)
・アポロ司令船(レプリカ)
・アポロ着陸船(レプリカ)
・アポロその他
・バイキング火星ランダー(レプリカ)

第3回:展示室内のその他展示物
・RL-10(実物)
・LE-5A(実物)
・試験試料(実物?)と隕石(実物)
・SETI
・UFOやエイリアン(TV番組用の模型)

第4回:展示室外の展示物他
・レッドストーンマーキュリーロケット(1段2段は実機とあるが本当か?レプリカでは?)
・月面ローバー(レプリカ)
・1階の展示物
・2階の館長室?
・売店

第5回:エピローグ
・購入したお土産
・その他の情報他
・最後に
・おまけ:カミオカンデ

番外編:ヴォストークカプセルの所在

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さてそれでは最初はゼニット偵察衛星とモルニヤ通信衛星、それにルナ24号の旧ソ連3機から行ってみましょう。なおこれら旧ソ連の機体に関しては水城さん「コスモアイル羽咋見学」もご覧頂くと専門家の目で見た解説があります。

○ ゼニット(Zenit)偵察衛星

自称「ヴォストーク宇宙船」こと「ゼニット偵察衛星」は展示室入ってすぐの場所にありました。一応実際に宇宙に行って還ってきた大気圏突入カプセルの実機のようです。直径は2.3mあるはずです。衛星にしては巨大ですよね。しかも無人衛星なのに何故カプセルが戻ってくる必要があるの?と言う疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。ゼニット偵察衛星が活躍したのは1961年から1994年にかけてですがデジタル化されていない状況ではカメラで撮影したフィルムを回収する必要があった為です。当時の米国の偵察衛星(コロナ偵察衛星)はフィルムのみを回収していましたが、旧ソ連ではカメラも含めてフィルムを回収していたと言うことです。


カプセルの全景です。画面左下の方がグレーで右上は元の色の赤褐色ですので左下を下にして大気圏に突入したのでしょう。

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続いて皆さんご存知米国はNASA関連の展示品です。レプリカやモックアップばかりですが数はありますね。

○ マーキュリー(Mercury)宇宙船

展示室最初の展示物です。レプリカですが外板はオリジナルと同じ型を使っていると書かれています。マーキュリー計画については映画「ライト・スタッフ」で見る事も出来ますし有名ですね。


オリジナル・セブンの7人はそれぞれのマーキュリーカプセルに名前を付けていたんですが、ここのカプセルには名前は入っていませんでした。

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最後に展示室内のその他展示物を見て行きましょう。

○ RL-10エンジン
米国初の液酸/液水を燃料とした液体ロケットエンジンです。実機との事です。サターンI型の2段目に使われていましたし、アトラスやタイタンロケットの上段であるセントールロケットにも利用されています。エンジンの再着火も可能。メーカーはプラット・アンド・ホイットニー社。


目の前にすると意外に小さいことに気が付きます。エキスパンダーサイクル方式です。

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○ 1階の展示物

2階の有料展示室と違って1階にもおそらく一部は非常設だと思いますが少し展示物が置いてあります。


ISASの小さな衛星模型がずらりと並んでいました。これは良い趣味です。

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最後に買って来たお土産やその他情報をまとめておきましょう。

○ 購入したお土産


500円前後だったと思いますが宇宙開発・UFOともう1種類(思い出せない…)のVHSビデオが売ってました。安かったしどんなものかと宇宙開発のビデオを購入してみました。宇宙開発なのにいきなり宇宙の始まり等の天文学の話が(笑 しかも内容もいまいち納得と信用が出来ないし。その後で宇宙開発の話になりますがまあ展示室に書かれていたことそのままでしたね。やっぱり信用ならんなぁ…と言うのが感想です。もう1つ最近良くあるガラス(プラスチックかも?)の内部に埋め込みがしてある置物でスペースシャトルの物をスペースシャトル退役記念も兼ねて買ってみました。いや450円と安かったもので。と思ったら先日JAXAiに行った時にほぼ同じものが350円で売ってました(^^;; 他にも売店では定番の宇宙食やJAXAキーホルダーなんかも売ってましたが、これもJAXAi等でも買えるものでした。

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コスモアイル羽咋が所有していると言っているヴォストークカプセルですが、ヴォストーク宇宙船と呼んで間違いが無いのはヴォストーク1号から6号までの6機でしょう。と言う事でTwitterで @spacesite さんがヴォストークカプセルの行方を調べて下さいましたので以下にリストアップします。

ミッション
Mission
カプセル所在
Display
所在地
Location
補足
Supplement
ヴォストーク1
Vostok 1
エネルギア社展示室
RSC ENERGIA MUSEUM
モスクワ
Moscow
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ヴォストーク2
Vostok 2
実験に使われた後破棄
Destroyed
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ヴォスホート開発に使われて破壊されたので廃棄された。
ヴォストーク3
Vostok 3
チュバシ共和国にある宇宙博物館
Chuvash Republic Space Museum
チュバシ共和国
Chuvash Republic
こちらにВосток-3とあるが本物かどうかは未確認。
ヴォストーク4
Vostok 4
ズヴェズダ社展示室
RD and PE Zvezda museum
モスクワ
Moscow
ヴォスホート2として展示されている
ヴォストーク5
Vostok 5
ツィオルコフスキー記念館
K.E. Tsiolksky State Museum
カルーガ
Kaluga
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ヴォストーク6
Vostok 6
エネルギア社展示室
RSC ENERGIA MUSEUM
モスクワ
Moscow
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実はヴォストーク3号機のカプセルだけ情報が無く @spacesite さんと @seisakusho_F_A さんの3人で調べた結果が上にあるロシア西部にあるチュバシ共和国の公立博物館の分館と思われる宇宙博物館にあると言う情報です。本物と思われる理由はヴォストーク3号のアンドリアン・ニコラエフ宇宙飛行士の出身地がチュバシ共和国である点と @spacesite さんの持つ2000年発行の書籍「The Rocket Men」には行方不明になっていますがチュバシ共和国の宇宙博物館のオープンが2001年とその直後である点です。写真を見ても実機のように見えます。

コスモアイル羽咋もせめてヴォストークカプセルとか言う程度にしておけばまだ救いようもあるのですが、強引に人形まで入れてヴォストークカプセルと言っている点が罪深いと言えるでしょう(^^;; まあ当然分かっていてやっているんでしょうけど。

何はともあれスッキリしました。@spacesite さん @seisakusho_F_A さん、ありがとうございました!ちなみに@spacesiteさんの「スペースサイト!」も面白い情報が満載されています。ぜひご覧下さい!

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