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Xシリーズと言えばX-1の次に好きな機体がノースアメリカンX-15です。他の作品等は [続きを見る] からどうぞ!

[うんちく]
X-15はマーキュリーやアポロ計画などに貴重な資料収集で貢献したそうです。 目標とされたのは速度マッハ4〜10/高度19,000〜80,000mでした。これに対してX-1のBELL社など4社が応募、結果としてNORTH AMERICANが採用されています。ちなみにBELL社の提案した形状はX-1を素直に拡張したような感じです。

X-15は1号機(s/n 56-6670)、2号機(s/n 56-6671)、3号機(s/n 56-6672)の3機があります。今回のCGでは1号機をXLR11エンジンを搭載した初期型として、2号機をXLR99エンジンを搭載した後期型に分けてあります。実際には1号機2号機共にXLR11エンジン搭載からXLR99エンジン搭載に改造されており、3号機のみが最初からXLR99エンジンを搭載しています。元々は3機共、XLR99を最初から搭載する予定だったのが開発が間に合わず、X-1でも使われたXLR11エンジンを2つ束ねて使ったようですが、非力さは否めず苦労をしたようです。更にはこの後3機共に改修され全長を伸ばして増加タンクの装着が可能なX-15A-2となっています。

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3号機は最終的には191回目の飛行で事故で空中分解して失われ、2号機は修復不能のダメージで退役、最後まで飛んだ1号機も1968年に退役しています。

X-15のパイロットは全部で12人、その中には後に月面着陸を果たしたアポロ11号のニール・アームストロングもいます。さてX-15の打ち立てた記録を見てみましょう。非公式な記録ながら最高到達高度は107.96Km、最高速度はマッハ6.72となっています。高度100Kmと言えばNASAの現在の基準でも立派に宇宙の範疇です。(当時は高度80Km以上を宇宙と認定していたようです。)当然空気はほとんど無い為にパイロットはほとんど宇宙服のようなパイロットスーツを着て、X-15にもRCS(リアクション・コントロール・システム)が装備され、宇宙での姿勢制御を行うことが可能となっています。操縦装置は3段階に分かれています。低速用の中央の操縦桿、高速用の右コンソールにある油圧制御のサイドスティック、高空でのRCS用の左コンソールにあるサイドスティックです。なお発射はNASAの発射母機NB-52に懸吊され上空まで運ばれ空中発射となります。

垂直尾翼は上下にあり、ラダーの可動部としては一般の航空機のように後縁では無く例えば上の垂直尾翼であればちょうど半分から上辺りを丸ごと可動させることになります。ラダーは取り外しが可能で時には別の機体番号のラダーを装着していたこともあるそうです。さて問題は下の垂直尾翼のラダーですが、これを装着したままでは着陸用のソリが地面に届きません。よって着陸前に分離していたようです。下のラダーは資料写真によると最初から付けないで飛行していることもあったようです。

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