Paradise Texts
東京→長崎の爆走1350km
2003年1月7日

■ プロローグ

私の両親が住んでいるのは九州は長崎でしかも更に田舎の島原市です。 で私は東京の江戸川区に住んでおりまして、フツー帰省するには飛行機を使っています。

しかしその飛行機も年末年始とお盆シーズンには運賃自由化後は一切の割引が使えなくなり、更に家族も増えるしで運賃だけで10万円以上は確実に必要となってしまいました。 更に昨年生まれた次女が3歳になれば15万円オーバーしてしまいます。 しかし忙しい時期に儲けようとするこの航空会社の値段設定は何とかならんものでしょうか(^^;

なので今回の年末は帰省しないで東京でのんびりしていようかと思っていたのですが、、、 今回の休みってちょうど土日の間に正月があって9連休なんですよねぇ。 最初は冗談で妻と、

「暇だし車で帰るか?」
「距離どのくらい?」
「え〜とどれどれ、1300キロくらいかなぁ?」
「値段は?」
「ガソリン代が3万円くらいで高速代が往復5万円くらいだから合計8万円だね。」
「ふ〜ん行ってみる?」
「行ってみるか?じいちゃんばあちゃんも孫の顔見たいだろうし。」

と言うことで12月も中旬過ぎてから本格的に計画することになりました(笑) いちおう友人や知人に、

「あのなぁ東京から長崎まで車で帰ろうと思っているんやけど無謀かな?」

と聞いてみたところ、

「お前なぁ今年生まれた子がおるやろ?無謀やで!」
「今事故でもおこされたら今やっているプロジェクトどーすんですか!止めて下さい!」
「かな〜り無茶です!」

と皆が止める。 しかし「行くな!」と言われると「行ってみたくなる!」のが私の良いところ、、、じゃ無かった悪い性格です。 (いや自覚はしてるんですよ。困ったもんだ(^^;) 「え〜い行ってしまえ!」となってしまいました。

さて行くとなると色々ネットで調べてみると関東から鹿児島や熊本まで帰省している人も結構いるみたいです。 「何とかなるんじゃないかな?」との手応えを感じつつ計画を練る。 計画を練る上で参考になったのがJHのホームページにあるハイウェイナビゲータでした。 何が便利って日時も入れると渋滞予測も含めてシミュレートしてくれるんです。 これでチェックしたところ12月28日の夜の9時くらいに東京を出れば渋滞にはほとんど遭わずに済みそうです。 夜中に走れば子供達も寝ているだろうし好都合です。

さてちなみに我が家の愛車はステーションワゴンクラスのプリメーラカミノワゴンで愛称「プリちゃん」です。 妻も免許は持っているがほとんどペーパーなのでドライバーはほとんど私一人の予定。 さてどうなりますか?

■ 往路(12月28日〜29日)

28日
午後1時半〜
午前中は長女を連れて眼科医へ行く。 昼食を食ったらドライバーの私は夜に備えて寝ることに。 午後5時半に起き出して皆で晩御飯を食べて私は目覚しにシャワーを浴びる。 渋滞情報等をネットで調べるが東名で少し混んでいる程度で渋滞は解消の方向らしい。 よしよし。 家族に熱を出している者もいないので決行だ!
午後7時50分 荷物を放り込み東京の自宅を出発! 江戸川区は千葉寄りなので東名に出るのは面倒。 船堀橋から首都高にのり、湾岸からレインボーブリッジ経由で東名に向かう。 予想通りレインボーブリッジを渡ったところから渋滞にはまる。
午後8時50分 東名の料金所に着く。 自宅からは1時間かかったが首都高を使ってもいつもこんなものなので問題無し。 東名に乗った辺りで子供達は寝てしまう。 予定通りである。 先は長いしリラックスを心掛けて運転をする。
午後9時30分 富士川SAで最初のトイレ休憩。 ここまで順調。 娘二人は良く寝ているので妻と交代でトイレに行き、すぐに出発。
午後11時20分 浜松を過ぎ名古屋手前の上郷SAで2回目のトイレ休憩。 まだガソリンは半分くらいしか消費していないが1回目の給油を行う。
29日
午前0時25分
名古屋ICをほぼ午前零時に通過。 東名の東京からここまで約325km、3時間10分で来ている、順調である。 東名から名神高速になるが、すぐに次女が泣き出す。 急遽、尾張一宮PAに入りミルク休憩。 ミルクを飲むと落ち着いたようなので15分くらいで出発。
午前2時00分 名神は心配していた関が原も道路上には雪も無く順調に走る。 さすがに少し疲れて来たので桂川PAでトイレ休憩。 でも5分から10分くらいですぐに出発。
午前3時30分 名神から中国自動車道→山陽自動車道とルートをとり、竜野西SAでトイレ休憩。 子供達は良く寝ている。 結局関西圏も深夜通過と言うこともあり極めて順調に走ることが出来た。
午前5時00分 福山SAでトイレ休憩と2回目の給油を行う。 ガソリンはやはり半分くらいの消費だが早めの給油を心掛ける。 名古屋からは300kmくらいだが、途中にミルク休憩や関が原越え等もありペースが少々低下気味か。 でも何とか全行程の半分までは来た!
午前7時00分 この辺りで子供達も起き出して来た。 山陽自動車道最後のSAである下松SAで朝食とする。 SAに貼ってある地図にやっと九州が出てくる。 九州までもう一息だ! それにしても山陽自動車道は単調でしかも一番の長距離であり結構疲れる。 次女はミルクを、他はうどんやおにぎりを食べて朝食とする。 実家に順調である旨を電話で連絡しておく。
午前9時00分 下松SAを出てからは夜も明け子供達も起きているので気分一新で順調に走る。 8時過ぎに関門橋を通過、遂に九州に上陸だ! 古賀SAを目指すが、次女が泣き出したので手前の鞍手PAでトイレ休憩。 長女が元気にミニモニやモーニング娘のCDで踊る(もちろん座ったまま)。 おかげでこちらも元気になる。
午前11時00分 九州自動車道はそこそこ車が多かった。 鳥栖JCTから長崎自動車道に入る。 長崎自動車道はいつもガラガラ。 空いているのは助かるが良いのかこんなことで? 金立SAで早めのお昼御飯にする。 次女は離乳食&ミルクだ、我々はSAのレストランで食べる。 あと1時間ちょっとで高速から降りるが、面倒(さすがに少々疲れて来ている)なのでここで3回目の給油も行う。
午前12時25分 大村湾を右に見ながらガラガラの長崎自動車道を走り、遂に目的のICである諫早ICに到着! 東名に乗ってから諫早で降りるまで15時間35分であった、この間の距離は1239.6km! 一般道に降りるが走っている車の速度が50km/時なのでまるで渋滞しているようなノロノロ運転に感じる。 でもまぁ疲れて来ているのでのんびり走ることにする。 最終目的地の島原まではほとんど追い越し禁止の片側1車線の一般道を40〜50km走る必要がある。
午後1時30分頃 遂に目的地である島原の実家に到着! ところが両親は買い物に行っていて留守であった。 到着はもう少し遅いと思っていたらしい。 隣家が叔父の家で合鍵もあるので実家を開けて貰い荷物を放り込む。 全行程18時間弱でした。 やれやれ(笑)
両親が帰宅してから数時間コタツで寝て、夕方起こされる。 「温泉に行くぞ!」とのこと。 実家が温泉地にあるってのはホントに良い! しかし東京の自宅前の道が確かに長崎の実家の前の道に繋がっていることが実感できた。 一風呂浴びて帰って来てから飲んだビールの味は格別でした! お疲れさま〜♪


■ インターミッション

到着した翌日、やはり疲れたのか昨日は元気だった次女(0歳)が熱っぽい。 38度少しあるようだ。 両親が慌てて近くの小児科に連れて行くが何と100人以上の順番待ちだとか。 やっと診察して貰ったが軽い風邪だろうとのこと。 薬を飲み翌日(大晦日)には元気に復活してくれる。 良かった(^^;

私はと言うと、翌日と翌々日は肩と背中が凝りまくり。 しかしそれ以外は特に問題も無く元気だった。 1350kmくらいを夜通し走った訳だが、睡魔にもおそわれず頑張れたのは昔SE時代に培った徹夜作業慣れのおかげか(笑)

往路は夜だったし到着することが目的だったが、復路は途中の琵琶湖の近くに宿を取ってあり昼間の運転でもあるのでのんびりSAに寄りながら買い物でもする予定。 しかし天気予報によると琵琶湖に向かう3日は雨で翌4日は雪の予報が! 大丈夫なのか!?

■ 復路1日目(1月3日)

3日
午前7時15分
朝7時に出る予定だったが色々やっているうちに7時15分となってしまう。 滞在中は晴天に恵まれたが予報通り外は冷たい雨が降っている。 時間節約の為に海沿いでは無く雲仙の中腹に開通している広域農道を行く。 広域農道までの道が分かり難いと言うことで両親が農道の入り口まで先導してくれる。 多謝!
午前8時20分 再び長崎自動車道の諫早ICに到着! さぁ今日は名神自動車道の瀬田西ICが目標だ! 雨は時に強く降って来るが相変わらずガラガラなので快調に走る。
午前9時45分 九州自動車道に入り古賀SAで買い物(お土産)&休憩をする。 燃料はやはり半分くらい残っているがとりあえず給油もしておく。 10時30分くらいに出発。
午後1時00分 遂に本州に戻る、雨も小止みになってくる。 順調に中国自動車道から山陽自動車道を経由して広島の宮島SAでお昼御飯にする。 次女は離乳食を、我々はレストランで食事にする。 私は牡蠣フライカレーを食すが、まぁこんなものかなぁと言う感じ。
ここで道路情報をチェックすると何とこの先で渋滞中との情報が! えっ!?こんなところで渋滞? どうも雨が降っていて翌日も雪との情報で今日帰省が集中しているようだ。 おまけに平行して走る中国自動車道も雪で一時閉鎖されていた区間もあるようだし。 まだ目的の瀬田西ICまで400kmもあるのに到着できるのか!? レストランも混んでいたりでなんだかんだで時間がかかり午後2時40分に出発する。
午後5時00分 やはり渋滞にどっぷりとハマる。 ノロノロどころか時々完全に停止する状態で、たまに少し順調に進んでもすぐにまた渋滞を繰り返す。 福山SAで休憩する。 どう考えても今日中に琵琶湖の瀬田西ICまで到達するのは無理(笑) とりあえず予約しておいた宿に電話を入れてキャンセルする。 素泊まりで1泊1部屋で1万6千円程度で、キャンセル料は50%だが仕方が無い。 キャンセルして少し気持ちが軽くなったところで渋滞に戻る。 本当は燃料が半分くらいになっているのでガソリン補給したいところだがGSは長蛇の列なので諦める。
午後7時00分 渋滞は続き、遂に次女がぐずり出す。 まだ岡山の倉敷にも到達していないが仕方が無いので宿を探す為に鴨方ICで山陽自動車道から降り平行する国道2号線へ。 国道2号線もやはり渋滞してノロノロ運転であった。 途中GSは何軒が見かけたがホテルらしきものは無いので暫く2号線を走る。
午後8時00分 新倉敷駅の表示が見えたところで「セントラルイン倉敷」と言うビジネスホテルを発見。 フロントで聞くと和室が空いていると言うので宿泊することを決める。 和室1部屋で1万2千円と安いが、ただ風呂はユニットバスだけで大風呂が無いとのこと。 部屋に入り私だけ晩飯を調達する為に車でホテルの近所を走り24時間営業のスーパーで買い出し。 GSを探したが遅い時間だったのでもうどこも閉まっていたので断念。 部屋に戻ると子供達が元気で凄いことに(笑) まぁ1日中車に閉じ込められていてパワーが余っていたのであろう。 特に次女は凄い速度とパワーで部屋中を荒らしまわっていたので大変だった。 明日は九州と中国地方では雪の予報も出ているので5時に起きて6時出発に決め、風呂に入りビールを飲み早めに寝る。 今日の高速道路の走行距離は522kmで全行程で12時間半なり。
本日の教訓:渋滞が予想される時は宿は予約しない!


■ 復路2日目(1月4日)

4日
午前6時10分
予定通り朝5時に起き出して準備をして出発。 6時だとまだ暗いが予想に反して天気は良いようだ。 10分程で昨日降りた鴨方ICの次の玉島ICから山陽自動車道に乗る。 さすがにこの時間は順調で快適に飛ばして行く。 しかしガソリンが心細くなってくるが、途中のSAはとんでも無いことに。 なんと本線までGSへの補給の列がはみ出して並んでいる!! これに並ぶとガソリン補給までに1時間や2時間はかかりそう、、、 やはり昨日高速から降りた時に補給しときゃ良かった、、、
午前7時30分 もうガソリンが残り4分の1になったところで諦めて、竜野西ICで平行する国道2号線に降りる。 カケだったが、2号線に降りてすぐに24時間営業のGSを発見! しかもガラガラ(当たり前)なのですぐに満タンにして貰う。 ついでに昨日買っておいたパンと牛乳で車の中で朝食にする。
本日の教訓:燃料補給はできる時に必ずやっておく!
午前7時40分 国道2号線を先に進みすぐに次の竜野ICを発見して再び山陽自動車道に戻り順調に進んで行く。 途中のSAではどこもGSが大渋滞していた。 夜も明けて天気が良いこともあり朝日がまぶしい。 まぁ東に向かっているので仕方が無いのだが(^^;
午前9時30分 山陽自動車道から中国自動車道→名神高速と順調に進む。 途中で渋滞情報や関が原での雪情報も無く、安心して運転して行き関が原の手前で多賀SAで休憩。 この先で北陸道への分岐がありスキー客が多いしバスの団体客も多くSAは大変な混雑で女子トイレは長蛇の列であった。 オバサン達は平気な顔で男子トイレに並んでいる(笑)
午前12時30分 関が原は快晴で雪も全く無く順調に行程を消化して行く。 しかし名古屋を前にして再び渋滞が時々あるようになってきた。 やはり午後になると渋滞してしまうようだ、しかも事故渋滞も結構多い。 こんな天気の良い日に事故るなよ、、と愚痴りながら名古屋を通過して東名に入ると少し流れ始める。 上郷SAでお昼御飯とする。 次女はお決まりの離乳食で我々もレストランで食事。 私は天むすときしめんと味噌カツがセットになった名古屋三昧(笑)を注文するがイマイチかな。 特に天むすは小さくてべちゃべちゃしていて最低! この先の渋滞情報をチェックするが断続的に10〜40kmの渋滞があるようだ、やれやれ。 でもこの辺りから先はまだ土地勘もあるので「何とかなるな」と思う。
午後4時20分 静岡近辺で最大の渋滞が45kmに渡りあるが、完全に止まることは少なくて20〜30km/時くらいで流れる。 牧の原SAで休憩と、少し早いが最後の給油を行う。 この辺りまで来るとGSの列も10台程度で10分も並べば給油が可能。 この牧の原SA(上り)のGSはスタッフの分業がうまくキビキビ動いていて気持ちが良い。 どろどろだった窓も全て綺麗に拭いて貰い、良い気分で渋滞の本線に戻る。
午後6時50分 次女が再びぐずり出し、富士川SAで晩御飯休憩をする。 SAの情報によるとこの先もう暫くは渋滞が続くが、東京近辺の渋滞はだんだん解消して来ているようだ。 帰ってからビールのおつまみにする為に丸揚げを買う。 頑張って渋滞の本線に戻る。
午後9時30分 渋滞もだんだん解消され厚木を通過するころには東京までの道はほとんど渋滞が解消していた。 9時半に用賀料金所を通過する。
午後10時40分 首都高速に入る料金所手前で少し渋滞するも、首都高速自体は順調に流れており11時前に自宅に辿り着く。 途中で見た東京タワーやレインボーブリッジにお台場の夜景など綺麗で、東京に帰って来たと実感する。
荷物を放り込み、子供を寝かしつけて買って来た丸揚げでビールを飲む。 うまい! 今日の高速道路の走行距離は707.6kmで全行程で16時間半なり。 やれやれ帰りは天気も良く目が充血してしまった。 メガネをしているとこういう時不便だよなぁ。 ただ高速運転はあまりしていないので肩凝りは無し。 お疲れでした!


■ エピローグ

やはり帰宅した翌日に次女が微熱を出すが、今度は37度台で日曜日なので様子を見る。 6日には元気になったが、やはり疲れから熱を出しているんだろうなぁ。 無茶なスケジュールで行った事を反省。 結局復路は合計で29時間かかった訳だからなぁ。 まぁ大事には至らなかったので良かった。

4日は九州方面も雪が降り九州自動車道も閉鎖区間があったらしい。 4日に出発していたらもっと悲惨な目にあっていたかもしれない。 6日の朝のニュースでは5日は中国や関が原近辺も雪だったようだ。 渋滞には巻き込まれたがまだマシだったと言うことか(^^;

さて帰って来てから友人や知人から、

「もう行きたくは無いだろ?」

と聞かれるのだが、実は個人的には、

「思ったより運転は大変じゃ無かったなぁ。」

と言う感じである。 そうそう結局運転は私一人で最後までやり通しました。 次回は関西まで車で行き、関西から九州までフェリーで行くコースに挑戦してみたい。 それなら次女への負担も少ないだろうし。 などと考えていたりするのだが、はてさてどうなりますやら(笑) 何はともあれ往復2700kmものドライブは無事完了しました! やればやれるもんだ!

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